いや本当に論語君今軟禁されているから最終章「最後の事件」にしか出てこないと思ってた。完全に油断しており冒頭で死んだ。論語君関連の話は後ろに少しまとめました……
キングレオ論語君がはっきりと「人嫌い」と明記されるの……そうなんだろうけど……来るものがあるよな……
「他人様から感謝されるようなことだけはしない」っていうポリシーは一致したのにプルミエールとは運命になれなかった論語君……
公社、メディアミックス企画めちゃくちゃ推してくるな!?現実世界への伏線?
まともなこと言うと、大河が自分の小説どころかキングレオシリーズも含めて文章が書けない環境にどんどん追い込まれて公社にいる価値がなくなるという伏線なのかもしれない。考えたら大河の会社員から作家っていう境遇って円居挽の経歴なぞってるのか
ミブロー湯、テルマー湯のなんらかのパロディでしょうがわかりません、胎界主か喧嘩稼業かそれ以外か
本当にKNL湯けむり純情編やりやがった
雹平!久しぶり!
勤め先、宮内庁……?天皇お抱えの探偵組織があるの……?ルヴォワールの世界の青蓮院みたいなポジか……?
散々匂わされてきた天親分家本家の会話がここまでシリーズが来てやっと出てきたの感慨深いな……。本当に従兄弟同士なんだな……。天親一家の話もっとください!小学生の天親獅子丸が天親四兄弟でめちゃくちゃやって最初の事件を解決するの女オタクは絶対見たい!サービス精神に溢れた今の挽ならやってくれます@Pの密室
「僕らの仲だからいいんだよ?」えっち!!!お前は重雷装巡洋艦木曾改二か!
今出川の雹平初登場確認してたら夏なのに黒い外套着てるっていう記述出てきて叫んでしまった……お前……。ルヴォの天親関連の伏線は拾い損ねてるものが多く、頻繁に驚いている……
大河が年上のお姉さんに振り回されてるのめちゃくちゃわかるな!?
聡明かつ奔放、レオ様とキャラ被っとるやんけ、それは獅子丸だって不愉快だよな、わかるよ
えっつまり逆説的に獅子丸は大河より年下であることが確定した!?なるほど~~~!
獅子丸の言う「オレの世界」いまいちピンと来ないんだけど……胎界主……そっすか……まぁ生きてるうちには読むリストに加えとくね……
獅子丸の口癖「無害化」←好き
「朱に交われば」……ルージュ……ウッ……
大河、公社でそこそこ稼いでるだろうに学生時代の家に住んでるのかよ。狭くないの……?
獅子丸、一人で帰してたら家で残業したかもしれない大河を休ませるために着いてきた可能性もあり……優しい……(オタク深読み)まぁ結局大河は漫喫で仕事する羽目になっているのですが……
いや不法侵入には動じろよ
税所密香、どう見ても大河を誘惑するためにそういう格好をしているわけだが大河はいつのまにそんな鈍感系主人公みたいな属性を身に着けたのか……と思ったけどイオちゃん周りのごたごたでも結構そうでしたね、今回はイオちゃんに会えなくて寂しかった、いや作品のカラーからして似つかわしくないのはわかっているのですがイオちゃんと獅子丸がばたばたやってるの好きなので
獅子丸、普通に「大河を傷つけたこと」に対して怒っており、すごい(すごい)
同居時代のオタクだからわかってしまうのですが「なあ、今からでもウチに引っ越さないか?」って言い方、絶対これまでに同居誘ったことあるんですよ!!!待って!いや本当に!これまでに引っ越す提案をしていなければ「今からウチに引っ越さないか?」って言い方になるはずじゃん!!!この、頭の「なあ」が与える印象も裏付けてるでしょ?「(これまでもこの件についてオレは度々提案してきたが、)なあ、今からでも(遅くないから)ウチに引っ越さないか?」なんですよ!そうだろ?そうです、そうだよなぁ……。
大河の家の鍵を交換しなかったのが獅子丸のミスになるの面白すぎるな……。「こんな学生が住むようなセキュリティの家はやめて引っ越せ。なんならオレのマンションの部屋を分けてやる」って会話ありました。あったな~。この前読んだわ。
と思って読んでいたら大河の家はオートロック式という記述を冒険から見つけました、無念です
「もしかしてお前、密香さんのことが好きだったんじゃないのか?」とか言う大河、鈍感ムーブがすごい、この鈍感語り手がすごい2018
百万遍のパチンコ屋が潰れたの冒険刊行以降の出来事だったと思うのであっ作中で現代と同じ時が流れている……続編が読める奇跡……ありがとうFGO……と思ってまた感慨に耽ってしまった(違ってたらごめん)
獅子丸が「番」って言葉使うのかわいくないですか?鳥か?語彙が可愛く頭のいい男は最高
策略の中とは言え獅子丸が大河に一生助手をやってくれって言ったの結構驚いたのですが、どうした?冒険では夢のためなら助手やめてもいいって言ってくれたじゃんか。獅子丸が探偵業に対して自由な立場でいることが大河が夢を追う前提条件なのか……?獅子丸、あくまで探偵は仕事であってそこまで執着ないもんな……。逆に言うと別れの時(これは数話後にくることが確定している……)獅子丸もまた探偵を辞めることになるのかもしれない……?
「この国に対するなんらかのテロを画策している可能性もあるな」「いや、それはちょっと飛躍しすぎじゃないか?」ハイロー以後円居挽やんけ!(「証拠はないがあの女ならやりかねない」)
獅子丸雹平めっちゃ他人行儀だね!?この兄弟弟普段どんな会話してるの?全然想像つかん……。やっぱりこっちの世界でも大河と獅子丸がペアで、雹平は寅彦と過ごしてたのかな……。
「雹平……いくら弟でも心ある人間なら口にすべきでない言葉がある」←かわいい
経費でラブホ代落とされる大河、ハニートラップ仕掛ける役割か?
「押しが弱いのはお前の美徳だ、大河」←隙きあらば助手を褒める探偵、かわいい
獅子丸、普通に大河の才能を評価しているところが可愛いよ……
「トレースできなくなっているようだ」っていう物言いも冒険既出だけど、なんかやっぱり獅子丸の喋り方特徴的だな、ゲーマーだからこういう語彙がでてくるのか?
「違う!」←癇癪を起こしており、かわいい
円居挽の作品ってあんまり性の匂いしないんだよな(c.f.「その夜、○○と寝た」)。ジュブナイル的な印象があった中でベッドシーン(未遂)ぶちこまれたので結構びびった。でも確かに税所密香、ルヴォワールでも青田刈りとか言ってるからそういうキャラクタなんだろうな……。
なんかここ会話が生々しいよぉ、R-18です……
「獅子丸の体はもう獅子丸一人のものじゃないんだ。」あざとい、流石にあざとい。
獅子丸の反対理由がウェットなのに対して大河がビジネスライクでドライすぎる……
ごめん男男女感情の専門家じゃないので3Pの下り笑ってしまった人間なんだけど男男女、男男元カノという他にも探偵助手犯人の3Pという取り方もできますよね?だからなんだ?すいません言ってみたかっただけ
でも3Pの下り笑える人間もいるというバランス感覚が絶妙じゃないですか?ちょっとくどいか?そうかもしれない
大宮の醜聞、探偵役は完全に大河なんだよな……手前で獅子丸が予告していたことではあるけど……回想一作目から不穏ですね……獅子丸の探偵性とは……
亡くなった母と同じ病、落龍疫だったりします?
アドレナリンは別に匂わないだろ、というのとガラス越しにも作用する探偵への嗅覚が覚醒し始めた論語君、神様みがあっていい
熱っぽい瞳なに?論獅子ありますか?もうそれでいです……
大河の「1を10とか100にする能力」が一人の女を救った話だった……
今回ミステリとしては一応ワイダニット分類なのかな?と思うのですが大きなトリックはなく(いやボヘミアの醜聞からしてそこまで大きな謎は取り扱ってないが)、動機自体は円居挽作品に連なる既出のものであったということでそこはちょっと不満だったな……。キングレオシリーズの「本格ミステリだと思ったらBLだった!?」というサプライズ感が好きなので……。でもしかするとあんまりミステリに寄りすぎるとネタバレを気にする読者により拡散に支障が出るのではという円居挽の社会実験に関する戦略だった可能性もあり、まぁでもこの点は二話以降に期待したいですね。
人類の皆さんお疲れ様でした、二ヶ月後も頑張ろうね
~以下は城坂論語三昧真火担の話です~
今回の論語君の行動って傍から見るとちょっと矛盾してると思うんだよ。冒頭では獅子丸にどうしてもプルミエールの正体を暴きたいと言いながら(自分からそれが果たされればまっとうに生きるという条件も持ち出している)結局は獅子丸からの提案を断っている……。しかもこれはいつか自分で解く問題だからみたいな前向きな理由ですらなく、そもそもプルミエールの正体を暴くこと自体を諦めている……(税所密香の寿命が長くないのだとすればここで情報を捨てたからにはプルミエールとは本当に二度と再会できなさそう、あまりする気もなさそう)。そもそもルヴォワールの世界とは冒頭から齟齬があり、もう会えないのならそれでも構わないから自分のところにきた理由が知りたい、って、既に再会自体は二の次なんだよな。
なんでそうなったかというと獅子丸がプルミエールの正体を暴くかどうか確証がなかったと考えるとすっきりして、獅子丸自身も「絶対に再会できないと思っていた幻の女の正体を知ってしまう」って言っている。それでいざ獅子丸がプルミエールを捕らえて、キングレオとの再戦とプルミエールとの再会を天秤にかけられてしまうと、どうしてもプルミエールはキングレオに正体を暴かれてしまった女になっちゃうんだよな……。これ「二人を争わせて勝ったほうを好きになる」理論じゃん……。陽虎ちゃん流石ですね。論語君は約束を違えて獅子丸に「格下」扱いにされるのを嫌がったけど、プルミエールがキングレオに捕まるようならキングレオの方が上だったと判断しているわけで、論語君がしているのも格付けなんだよな。獅子丸は手形をもって論語君に会いに行く予定だったけど、それがなくてもキングレオがこれっぽっちの時間で正体を掴んだという事実で十分プルミエールは貶められているんだよ……。論語君にとってルージュ(撫子)はルージュ(落花)に置換不可能な存在だったんだけど、プルミエールはキングレオに上位置換が可能だったんだよな……(別にキングレオも唯一の存在ではないが……)。
冒険の時点でキングレオ線での論語君の女は撫子ちゃんじゃないといいなと思っていたので(撫子ちゃんだったら悲しすぎるから)そこはいいんだけど、そもそもその女の立ち位置が違うんだよな……。本当にこの論語君には何もないんだ……。間違ったことなんて何もしてないのに……。でも逆なんだろうな。キングレオの世界が駄目だったんじゃなくて、ルヴォワールの世界で起こったことが城坂論語の身に降り掛かった最大の幸運だったんだろうな。論語君は目が見えない状態で年上女と出会うと幸福になれない星の下に生まれているので。
でもあのさーこれは完全に私的感情なのですが、誰かの記憶の中に残り続けるっていうのがルヴォワール含めて円居挽の作品のテーマなのはそうなんですけど、失踪という形でそれを成し遂げようとするのって卑怯じゃない?だから獅子丸の最後の感情の吐露がすごく共感できて……。へらへらしている大河はなんなんだよ?お前の元カノじゃないのか?ルヴォワール線の論語君を見習ってくれ。普通に私情で税所密香のことが憎い……。しかも残りたい誰かの心が特定個人でなくていいとろこもむかつく……。論語君が心を寄せたことも再会さえも諦めて欲した「ぼくの前に現れた理由」が都市伝説への踏み台として扱わていれるのが腹立つ……。こんな女の手管に引っかかってしまって論語君が可哀想だ……。こんな女に救われなくてよかった……。もういいよ、神様におなり……。
いや実際終盤の論語君ほとんど神様として覚醒してましたね……。「テーマが見えそうなんです」って……言い方……。眠れる神様の仔を起こしてしまっている……。
城坂論語という概念にとって「あの女」は唯一の弱点だったのですがそれを失ったのでキングレオの城坂論語は「完璧」になってしまいましたね。おめでとうございます。一方で大河は獅子丸のこと完璧な探偵だと思っているのかもしれないが、他ならぬ獅子丸が冒険のラストで「探偵は一人で完璧になるわけじゃない」と言っており、獅子丸の弱点はそこにあるんだよな……。論語君が神様になり心配事がなくなった今、城坂論語三昧真火担としてはどのように別れが構成されるのか心置きなく楽しみにできますね。
おわり。
ミステリ風味二次創作、あるいは虚月館のこと
※「虚月館殺人事件」のネタバレを含みます
「ミステリ二次創作ミステリしてない問題」という問題がある。名前は今つけた。つまりはミステリの二次創作であるにも関わらず探偵が事件を解決していないではないかという主張だ。それ自体は問題とも言えないナンセンスな指摘である。サッカー漫画の二次創作もサッカーしてないしバトル漫画の二次創作もバトルしてない。二次創作における主題の大部分が性愛を始めとした感情の混沌であることは残念ながら疑いようもないのである。
しかしながら、ここで一つ疑問を提示したい。私達は二次創作でミステリをかき(書き/描き)たくないのだろうか。謎、伏線、そこから沸き上がる意外な真相。今までやられてばかりだったそういう体験を、自らの読者にも叩きつけてみたいとは思わないだろうか。
ちょっとそこのamazonで、検索ボックスに「ミステリー 書き方」とでも入れてみて欲しい。それなりの数のHow to本が出てくる。トップには綾辻行人やら有栖川有栖やら日本推理作家協会のメンバーが名を連ねる「ミステリーの書き方」なる信頼できそうな一冊が輝いている(幻冬舎・2010年)。最近の例を挙げれば、新潮社の小説誌yomyomではミステリに精通した編集者により「読みたい人、書きたい人のミステリ超入門」なる連載が行われている。
ミステリというジャンルはこの国のエンタメのかなり大きな一角を担っている。刑事ドラマなども視野に含めれば、死体と殺人が消費する可処分時間は大したものだ。性愛に次ぐジャンルといっても差し支えないとすら思う。そもそも謎を提示し、解決するという流れそのものはミステリに限らずエンターテイメントの主流であり、それを突き詰めたミステリというジャンルのHow to本に需要があるのも納得である。
でもなぁ。多分ちょっと違うのだ。
今をときめくミステリ作家の円居挽は、昨年の秋頃以下のように呟いている。
@vanmadoy
新人賞突破するとかでなく、ミステリ作品の二次創作でそれらしいものを書けるようになるための講座とか需要はありそうだな……(やらんが)
2017年11月24日
やらんのかい!でもその通りだ。「それらしいもの」で、いいのである。ミステリ作品の二次創作に限らないが、ただちょこっと「ミステリ風味」の二次創作がかいてみたいのだ。ミステリをかくのは難しい。先に挙げたHow to ミステリも、中身を見てもらえれば圧倒される。歴史のあるジャンルだけに過去の作品へも膨大な勉強が必要だ。「二次創作でオリジナリティ溢れるミステリがかけるならとっくに作家になっとるわ」。ご尤もである。けれどもそう身構えなくてもいいのではないか。ミステリ風味二次創作のトリックに新規性はいらないし、600ページに渡る煉瓦長編をかきたいわけでもない。ただいつもの二次創作にちょこっとミステリ風味のエッセンスを付け加えてみたいのだ。
さて、ではいざかこうとした時にミステリ風味二次創作の何が障害になるのか。二つ程提示してみたいと思う。
その一。読者は必ずしもミステリに精通していない。今一度、円居挽のツイートを引用させて欲しい。
@vanmadoy
ミステリを書く上で重要なのは読者メタですね。つまり「ここでこう書いたら、読者はこう考えてくれる筈」「こう騙されてくれる筈」ということがシミュレートできないとキツいわけですわ(ただ、これは意識的なトレーニングでどうにかなるとも思ってます)
2017年11月24日
この読者の思考の想定というのが難しい。というのも、二次創作の読者層は本来のミステリよりも横に広いのだ。例えば「地の文は嘘をつかない」というのはミステリ読者にとっては暗黙のルールだが、それはミステリ風味二次創作の読者には必ずしも共有されない。その中で作者はどのように伏線を張るべきか考えなければならない。
その二。トリックは主役ではない。
本格ミステリが人間を描けていないという過剰な主張は脇に置くとしても、ミステリの評価にトリックやフェアネスなど独特の基準があることは一般的に同意を得られるだろう。しかしミステリ風味二次創作はそうではない。懸命に物理トリックやアリバイを練った所で「それで何?」である。おそらく主役になるものは他の二次創作とそう変わらない。キャラクターであり、感情である。ミステリ風味の仕掛けを通して、そのキャラクターや感情が魅力的に伝わらなくてはいけないのだ。
これらの問題、特に一つ目の問題に対する解答例として、少し「虚月館殺人事件」(以下虚月館)の話をさせて欲しい。虚月館というのは円居挽によって執筆されたFate/Grand Order(以下FGO)というソーシャルゲームのシナリオだ。詳しいストーリーの解説は他に譲るが、これがなかなか興味深いミステリ風味二次創作なのである。シナリオの中で事件が起き、FGOプレイヤー全員による犯人当て投票が行われ、最も得票率の高い犯人が見事真犯人と一致すればガチャが引けるアイテムがプレゼントされる、と、こういうソーシャルゲームらしい仕様もある。話が脇道に逸れるが、京大ミステリ研時代に犯人当てで酷評されてきた円居挽がこのシナリオを通して千二百万人を超える読者に挑戦状を叩きつけるという展開はなかなか胸が熱くなるものがある。
さて読者はソーシャルゲームのプレイヤーだ。出自ジャンルも読書量も様々だろう。この全員の読者メタのシミュレーションをどのように行ったか。端的に言えば、円居挽はこのシナリオのルールそのものを懇切丁寧に説明することで、ミステリに慣れない読者の問題を誘導した。実際、このシナリオがミステリ初心者に照準をあわせたものであることはFGO運営サイドである奈須きのこによって明らかにされている。冒頭から探偵役はプレイヤーに「諸君には天井のシミや壁の木目、あるいは机の汚れが人の顔のように見えた経験はないだろうか?」と語りかける。登場人物の一人が描く人物相関図はあくまで主人公の認識に基づき、必ずしも信頼できないことは、伏線の域をこえて丁寧に強調されている。極めつけに章題はノックスの十戒と来た。ここまでくればミステリに慣れた読者であれば叙述・誤認トリックを想像することはそう難しくないだろう。しかし、ミステリに慣れた読者にとって退屈かというとそうでもない。シナリオの中で探偵役は、誤認を見破るだけでなく動機を想像することでも犯人に辿り着けると述べる。つまりフーダニットとワイダニットの二重構造になっているのだ。このワイダニットの想像は誤認トリックに比べると難易度が高めに設定されており、また動機の追求があることで登場人物の感情表現にも奥行きが加えられている。
第二の問題の解決については虚月館独自の問題を含み、一般化は少々難しい。この物語の主役がヒロイン・ジュリエットと主人公の感情の動きにあることは間違いない。何しろ描き下ろしのスチルまであるのだ。月の下で語られる二人のロマンスには一読の価値がある。しかしここで一つ問題がある。ジュリエットは立ち絵や喋り方こそFGOのキャラクターであるものの、それは主人公が実在の人物に対して自分の知っているキャラクターの認識を当てはめているに過ぎず、厳密に言えばFGOのキャラクターとは言えないのだ。これは探偵役などを除くほとんどのキャラクターでも同様であり、主人公でさえも実在の人物に憑依するという形を取っている。虚月館のFGO二次創作らしさというのは寧ろ、主人公が完全には物語の当事者になりきれないという構図にあるのかもしれない。
虚月館から得られる示唆がある。強い新規性が求められない叙述や誤認トリックは、物理トリックやアリバイトリックに比べると扱いやすいかもしれない。また、感情を描くことに直結するワイダニットは二次創作向きだろう。ただ、虚月館の手法が一般的にミステリ風味二次創作に転用可能かというと、勿論それは難しいだろう。そもそも円居挽はプロの作家だ。虚月館を執筆する上で円居挽自身が得た示唆もいろいろあるだろう。ぜひともノウハウを開陳して欲しいものである。
稚拙ではあるがこの随筆はそういう需要の存在を提示するという意味合いで書いた。仕事になるのならば、ある日円居挽が講座を開いてくれる日が来るかもしれない。
冒頭で性愛あるいは感情の混沌が二次創作の主流であると述べた。それらが読者の心に生み出すのが「共感」のようなものであるならば、ミステリが与える「驚き」もまた、創作が人の心を揺り動かす原動力の一つだろう。奇しくもここはミステリ二次創作の館「奇想館」。集う人々は個々の作品は勿論、ミステリという枠組みにも大なり小なり愛着があるのではないだろうか。ミステリが、驚きが、二次創作の場においても大衆的なものになると面白いなと思うのである。
レススレ
>200122
マジ!?ありがとうございます!虚空に向かって元気に言葉を吐いてるつもりだった(そんな……)
一ヶ月くらい続きます!後は知らん。
>190924
まだ数字でいたいさんで大丈夫です!なんでもいい。
ありがとうございます!なんやかんや色々描いてきたので、読んでもらえて嬉しいです。ユキオレは特に頑張って描いたので。
とりあえず10月のTOSに合わせていろいろ出ると思います。一部はウェブにも。なにとぞ!
>190821
違うよと言っても合ってるよと言っても怒られそうなので何も言いませんが、過去作を読み返してもらえるのめちゃくちゃ有難い……一瞬で消費される媒体としての諦観があるので……。ユキの飼い主にもペットにもなれないモモであることだよ(詠嘆)。漫画をやっていきたいですね。
>190720
なんのカタルシスもなく自己満足感が強い作品だなーと思っていたので褒められて素直に嬉しいです!私は別に小鳥遊紡が幸せにならなくてもいい。メタな存在だと思っているので(幸とか不幸とかそういう領域のキャラクタではないということです)。
Re:valeのラビチャ二次創作はこれを受けて誰かが書いてくれると信じています!そう、あと10日で……。
>190519
ラブコメヤッター!
オチを思いついたときは流石に私はラブコメに対する天賦の才能があるのではないかと思いました。多分気のせいだと思います。
あとがきは楽しかったので機会があればまたやりたい。
Road to LOVECOMEDY….完!