作者紹介 ジェイン・オースティン (1775~1817) 主に身内に読ませるため、幼少から創作活動を始める。 二十一歳から本格的な執筆活動を開始。三十五歳に「ある婦人」のペンネームでデビュー。この時代、女性作家は実力勝負するために性別を隠して出版することもあったが、身内で承認欲求が満たされていたためこのペンネームになったとかならんとか。結局ペンネーム関係なくめちゃくちゃ売れる。精力的に執筆活動を続けるが、体調不良のため夭折。享年四十一。 固定カプ厨で田舎の女の恋愛しか書かない長編字書き。コメディと(時にブラックな)ユーモアを心底愛しており、真面目にロマンスを書こうと思ったら第一章を書き終わる前に絞首台に吊るされるとまで言っている。 チャート 作品所感 分別と多感デビュー作。分別寄りの姉・エリナーと多感寄りの妹・マリアンのダブルヒロインと見せかけて、エリナーの方にも割と多感がある。しかし語り手のエリナーはそれを語らない、という幸せストーリーに見せかけた認知の歪みがある。→真面目な感想 高慢と偏見代表作。私賢くて人を見る目に長けてるわと自負するヒロインのエリザベスが高慢ちきの金持ちダーシーと出会って喧嘩する。喧嘩の原因は両者にあるのだが、やりこめられたダーシーがエリザベスに認められたくて頑張るのが他の作品にない持ち味。エリザベス自身が冗談好きなので全体的にかなりコメディな一作。娘の結婚しか老後の楽しみがないママとそういう俗世のことには興味ないパパ(エリザベスのことはお気に入りだったので結婚してしまい寂しがっている)がいい味出してる。なんでこの二人結婚したんや。 マンスフィールド・パーク内気すぎる居候・ファニーがヒロイン。しかしお世話になっている従兄弟一家全員で素人演劇することになっても役者を断固拒否するなど我の強い一面がある。この演劇が作品全体の暗喩になっている。一切浮気せずにずっと慕っていた従兄のエドマンドとくっつくのが実は珍しい。やっぱ頑固なんだと思う。身長差カプ(断定)。六作の中でも長めの作品だが、青い鳥はすぐ側にいたんだねとエドマンドが気がつくのは作品の最終盤で、書きたいところしか書いてない感がすごい。 エマ誤解すれ違いが錯綜するミステリ風ラブコメ。エマがずっと勘違い女で個人的には一切好感がもてないのに最後まで面白いのがすごい。オースティンの作品は女姉妹が頻繁に登場するというか男兄弟は一切出てこないのだが、エマにもハリエットという妹分が登場する。しかしハリエットがナイトリー(エマの男)に恋していると知った途端、身分違いの恋だと詰ってハリエットにめちゃくちゃ冷たくする。六作の中で最も身分差が痛烈に表に出ている一作。 ノーサンガー・アビー死後に「説得」と共に発表されたが、執筆時期は最も早い。小説好きで妄想癖のある元気な女の子キャサリンが主人公。十七歳のはずだが読後感はどう考えても厨ニ。でもヘンリーはそういうとこがかわいい言うとります。途中で挟まる作者の主張(小説愛)が強い。さながら少女漫画の枠外から主張してくる作者のごとく。前半の社交都市バースと後半の田舎ノーサンガー・アビーの対比がきいており、六作の中で一番風景描写がいい。オースティンは人間以外の描写をほとんどしない。 説得なんとヒロインのアンと海軍軍人(これはレア職)ウェントワースとの恋物語は、親戚からの説得にアンが折れて八年前に破局している。そこから再会した二人。出世した元恋人。再び燃え上がる恋が描かれるのかと思いきや全然描かれないのですごすぎる。読者とヒロインをやきもきさせた末の最終盤、手紙のシーンが圧巻。六作の中では最もロマンス寄りに分類されるらしいが、これはラブコメを極めた作者によるアンチラブコメだと個人的には思う。 参考書籍 高慢と偏見〈上〉 (光文社古典新訳文庫) この光文社古典新訳文庫が入門としておすすめ。エリザベスの口調が相当くだけている。 マンスフィールド・パーク (上) (岩波文庫 赤 222-7) 豊富な注釈と解説、物語の鍵となる戯曲の翻訳までついているよくばりセット。去年出版されたばかり。 エマ(上) (ちくま文庫) 分別と多感 (ちくま文庫) 説得 (ちくま文庫) ノーサンガー・アビー (ちくま文庫) 訳者は長編六冊全てを一人で訳した経験をもつ。あと「ジェイン・オースティンの読書会」も。 エマの中公文庫は読みにくいのでやめたほうがいい。ジェイン・オースティンを学ぶ人のために 作者経歴、主要六作の解題など。
Author: shortest
LINE2執筆後の雑談
本編 置場はタイトルがなくても管理できる仕様なのでまだタイトルがありません。誰かつけておいてください。BORDER LINE、人に続きが欲しかったと言われていてまぁまぁ面白かったので(最初からおちなしの話のつもりだったが確かに前半だけ公開したらまぁまぁ続きが期待される話だなと思ったので)、続き描けてよかった。BORDER LINEの絵柄可愛いから合わせたかったんだけど無理でした。棒人間の絵柄に続きものを感じてくれ。 最近エロ描いているのは私利私欲一切抜きの修行です。俺がエロ描いてるときのテンション見せてあげたいよ。本当に低いから。でもエロが描けると作品の幅は広がると思うんすよね……。だから……修行……してる……。偉くない?プロの作品読んで勉強しようと思ったんだけど、私商業BL、特にエロが入っているBL読んでると途中で笑いだしてしまうので(同人は全然読める。何故?)、持っているエロがほぼ男性向けだった。前2つは男性向けのノリで描いててそれはそれで面白かったんだけど、今回は途中でこれ違うな……になった。あと男性向けが描けるようになっても幅は広がらんな。新境地だなそれは。だから数少ない読める商業BLを引っ張り出して読み直してました。以下、私の研究結果です。 男性向け 擬音がある ♡がある 女性向け 最中に心理描写がある おわり。箇条書きした意味ねぇ~。今後の発展にご期待ください……。 人狼収録の後に許しが欲しくてユキのご機嫌取りをしたいモモ、いてくれ — shortest109.net (@osmnkih) January 17, 2022 このツイートは1月にしているけど、プロットを作り始めたのが4月なので執筆期間四ヶ月か……最近筆が遅くてね~……。エロシーンのせいかもしれない……途中で別のエロを描いていたし……そう信じたい……。エロ以外の話しよ。前半の3ページすげぇいい。「月舘はそんな奴じゃねぇ……」←一番書きたかった台詞。Tips: 二階堂大和は「三日月狼(旧版)」と言うとちょっと嫌な顔する。3ページだけtwitterに載せたのもちょうどいい感じがする。最近麻雀プロにTwitterをふぁぼられたりするんで……まぁプラットフォームの基準に引っかからなければ何載せてもいいんだけどさ……気分の問題ね……。絶対鍵はかけねぇ。そういえば置場は流通している商業作品に則って性器が露出してなければ年確なしとしています。この露出を出さない制約でネーム作るのがまぁまぁ面倒臭くて……でも露出を描くのはもっと面倒臭いので本当にやらないと思います……。またエロの話に戻っちゃった……。おわり……。
分別と多感感想
原題:Sense and Sensibility 出版年:1811年 モーメント オースティンの長編としては一作目(全六作)で、続く二作目は最も有名な「高慢と偏見 (Pride and Prejudice) 」。どちらも韻を踏んだ2つの単語が接続詞andでつながっているが、分別と多感はいわば「分別 vs 多感」といった物語の中の構図を表したタイトルだ。 物語の中の勝敗は明らかで、分別の代弁者・エリナーは困難を乗り越えエドワードを夫として獲得した一方、多感の代弁者・マリアンは恋した男が実はろくでなしだと判明し、エリナーの態度を見習うようになる。さらにはマリアンの最終的な夫が分別よりの人間ということで、論ずるまでもなく分別の圧倒的勝利である。 しかし、物語の外に出ると人気を得ているのは今も昔もマリアンであるらしい。これは解説で述べられている所感だが、確かにSNSなどで感想を探してみると「マリアンの方に共感した」といった感想はよくみつかる。そもそも共感をベースに語られなくてもいい気がするが、対立構造があることでどちらの陣営へ所属したいといった感想を述べやすいのかもしれない。 しかし、マリアンへの共感は必ずしも多感な現代人の多さを示している訳ではなさそうだ。というのも、小説は明らかにエリナーへの共感を阻む構造になっているからだ。エリナーとエドワードの出会いからしてそのやり口は強烈で、なんと二人の会話は直接話法では描写されず、エリナーとマリアンの会話を通してエリナーがエドワードの美点を語るという控えめな愛情表現が行われるに過ぎないのだ。 エリナーはこの本の中心となる三人称の語り手なのだが、実際に喋っているシーンはマリアンやお喋りおばさんのジェニングス夫人の方がずっと多いだろう。分別と多感においては、直接話法で会話する量の多さそのものが、多感な人物像の描写になっている。 エリナーの唯一といっていいほど長回しの台詞は、マリアンへの反論の言葉だ。失恋に落ち込むマリアンだったが、実は彼女を慰めてくれるエリナーも数ヶ月前に失恋していたことを知る。一切そんな素振りを見せなかったエリナーに驚いたマリアンは、エリナーがさして落ち込んでいないように見えたのはエリナーの気持ちが大したものではなかったからだと感情的に詰る。それに対してエリナーは、数ヶ月この状況を誰にも伝えることのできなかった己の苦しみがいかに大きなものだったかを珍しく長々と述べている。しかしそんな台詞の中でもエリナーの喋り方は極めて理性的であり、寡黙な人間が突然長々と喋りだしたことで、ある種の恐ろしさを感じさせるようなシーンとなっている。 普通、直接話法の少ないキャラクターだからといって、視点人物が共感を呼ばないとは限らない。むしろ直接話法に代わる内省的な描写は読者への共感や支持を生むケースも多いだろう。しかし、エリナーは地の文の中でさえエドワードへの愛情を読者に語りかけるといったことはない。むしろエリナーはマリアンを慰めることで、エドワードのことは考えまい、読者には伝えまいとしているように映る。最終的にはエドワードと結婚し、幸せになったという描写をそのまま信じるのであれば、エリナーをミステリにおける「信頼できない語り手」とも捉えることができる。 分別と多感は、物語の筋だけなぞれば多感の浅慮を窘め分別の重要性を強調するプロットであった。一方で、直接話法と間接話法を通して、分別をもつ人間のどこか底知れなさを描く物語でもあったと思う。
作った自キ
一昨年の初夏、秋葉原で初めての自作キーボードを買った。去年さらに2台を迎え、最近1号機を買った時に連いていってくれた友人が買ったまま組んでいなかったHelixを預かったのだが、特に詰まることもなくさくっと組めた。たった4台触っただけではあるがなんとなく技術の向上も感じ、自作キーボードもそろそろ趣味と言ってもいいかもしれない。ここまで組んだキーボードをまとめてみた。 1号機 キーボード:lily58 Proキースイッチ:Kailhロープロ茶→Sunset Tactile Choc Switchesキーキャップ:Kailhロープロ無刻印キーキャップ→MBK Legend Alphas (Myth) – Color チェロキー文字 買った日:2020/6 初めて組んだキーボード。本当は別のキーボードを予定していたが、店舗でロープロ(高さが低いキーボードのこと)に惚れたので店員さんに励まされながらダイオードを表面実装した。最初はOLEDのためにキーボード全体が遅延してしまって使い物にならなかったので、Discordの集合知にめちゃくちゃお世話になった。ロープロはキーキャップの選択肢がほぼないという致命的な欠点があるのだが、最近色の選択肢が増えたので買い足したい。普段使いのキーボードなのでかなり塗装がハゲてきてしまった。コーヒーを零されたりキーの間に塵埃が溜まったりするが健気に生きている。 2号機 キーボード:ino (Pure Black x Yellow)キースイッチ:Zealio V2 (65g)・ロープロ茶・ロープロ白キーキャップ:Tai-Hao Yellow Submarine→PBT Keycap Cyberpunk 2077風 買った日:2021/3 あまりにも可愛かったので愛玩用に買った。猫のように可愛がられ猫執筆の専門キーボードとして活躍した。かなり拘ってキースイッチを選んだので打鍵の心地がいい。タイプライターライクで文字入力(プログラミングではなく)に相性がいいと自画自賛している。キーキャップにも憧れのTai-hao(台湾のメーカーで色のセンスがめちゃくちゃいい)を選んだが写真と色合いが違っていて大分落ち込んだ。今日Majestouchを買い与えたが今後ももう少し探す予定。サイバーな黄色がいいな。 (22/7/4) ずっといいなーと思ってたCyberpunk 2077風キーキャップを海外から買い足して与えた。最高にアガる組み合わせになった。 3号機 キーボード:Palette1202キースイッチ:Gateron Ink v2 (Black) ・NovelKeys x
Read More