二人で本屋ダンジョン・バトル

一人で本屋ダンジョン・ノーバトルを読んで哀れんだ友人氏が本屋に誘ってくれたのでバトルしてきました。最初は透明書店に行こうという話だったが、あのちっちゃな書店で複数の人間が二時間も三時間もくっちゃべっていたらちょっと居心地が悪いので丸善東京店を舞台に選んだ。1F~4Fまでビルを占有しているでかい本屋。いろんなジャンルが置いてあるほうが面白いので本屋ダンジョンバトルは巨大本屋でやるのがおすすめです。

本屋バトルを終えたらノーサイドで散歩をするはずだったが(なぜ私の苦手分野ばかりを?)、普通に歩いていたら1フロア丸々残して3時間経ってしまったのでノーサンポになりました。居酒屋の予約時間ギリギリになってしまいビジネス書の棚も丸々スルーした。いろんなジャンルチェックしてないじゃないか!

人と本屋にいったら人と本の話をすると思っていたが、本屋で話せることっていっぱいあるなと気がついた。読んだことのある本の話が一番面白くないまである。次回からペダントリー禁止だ。しかし戦前の私は本屋が生み出すエンタメ力を信頼していなかったため制約が楽しさを生むと力説し、以下の様なルールが設けられた。

  1. 予算4000~5000円以内(3冊程度想定)
  2. 以下の条件を2つ引き、どちらかを満たす
    • タイトルがひらがなに直した時10文字
    • 動物がテーマ
    • 赤い表紙
    • 特殊装丁(箔押し)
    • 100P以内
    • 出版年2000~2005
    • 作者名がひらがな
    • スピンがついている本
    • 帯が5割以上表紙を覆っている
    • 挿絵がある文庫か新書
  3. 本を推薦し買わせる行為について強制的なものは禁止とする。もし押し付けた本がいまいちだった場合「バッドエンディング00:そして誰も幸せにならなかった」に分岐するため
後日、本屋ダンジョンの体験を人に話して怖がられたのだが「今日は本屋に対して5000円使うぞ!」という決意はなかなか大したものだ。面白かったのは、その話をした相手も結構な読書家だということだ。次回は君とも勝負、と誘ったがやんわり断られた。でも結構気持ちはわかる。もちろん飲み会や飲み会など成人が普通に遊ぶ際の金額を考えれば全く大それた額ではないが、本屋に使うというのは。買う品物が決まっていないにも関わらず使う額だけ決まっているというのが。本当に欲しい本に時間内に出会えなかったらどうしよう、買った後で作者の政治的信条が相容れないものと知ってしまったらどうしよう、1巻を買ったが2巻以降を続けて買ってやれなかったらどうしよう、等。やはり本を買うというのはテクスト論者的には服屋でウィンドウ・ショッピングしているのとは訳が違うのだ。まぁウィンドウ・ショッピングもしませんけども。
買った本の話をする。
〈キャラクター〉の大衆文化 伝承・芸能・世界 2750円

これで「帯が5割以上表紙を覆っている」条件を達成。帯は邪魔めの間テクストなんですぐに捨てる派です。もう片方は特殊装丁だったけどこれは未達。
面白そう~普通に読みてぇ~つって題字がどでかく印刷された表紙を友人氏に見せたら即「好きそ~」って言われて「何!?悪口!?」ってウケたので記念に買いました。別の友人にもこの話はせず表紙だけ見せたら全く同じセリフを言われた。私そんなに普段〈キャラクター〉の話ばっかしてます!?
使いやすいな~と思っているレシピの続刊。存在は知らなかったがそろそろ新しいレシピ本が欲しかったので、おっ!と思って買った。
文庫本をラインナップに加えたことでいい感じに予算達成となった。最近興味がある鳥ジャンルの本を一冊買いたくて「鳥を読む: 文化鳥類学のススメ」と迷ったのだが、あまりにも自分でそのうち買いそうな本だったのでスルーしてタイトルが可愛かったこのエッセイ本にした。冒険した!……つもりだったが、帰途で読んていたら作者が知り合いの知り合いであることに気がついた。この分野はすぐこういうことが起こる。私の冒険返して!
麻雀の本を買わない、小説を買わない、これだけが達成できたミッションです。
元ネタの記事を読んで、自分で珍しく本屋に行って本を買ってみても思っていたのだが、私、本屋で本を買うの下手かもしんない。というか、人が買った本達はとてもすてきな本に見える。
友人氏(兼推し同人作家氏)に「あなたの生物比喩描写がバク萌えなので……」といってふざけて生物の巣作りの本を勧めたら見事一枠を射止めていたのだが(グッドエンディング01)、見ていたら自分もその本欲しくなってきた。でも一人で本屋に行ったらその本は買わない気がする。
友人氏は最終的には設けたルールを全部無視して本を買っており、本屋を楽しんでいる人間とはこういうものかと感じた。
総額:税込み4958円(レジ袋込)。勝負には……勝った……そのはずなのに……なにかに負けてしまったようなこの気持ち……どうして……?
???「わかんねぇのか。ダンジョンを愛する気持ちがないと、このバトルには勝てねぇってこと」
To be continued…(次回未定)