起床。いよいよ引越し。
何の滞りもなく終わった。気を遣って本を詰める段ボールを分散させておいたが特になんの障害もなさそうに運んでいらした。山でも屈強な人々に仕事を手伝ってもらっていたが、軽々と力仕事をしているのを見ると何となく軽快な気分になるな。
結構長いこと住んでいたのでカーペットの汚れとか備え付けの棚の取っ手が壊れていたりとかいろいろ気になったが特に大家さんに文句を言われることもなく退室。過不足ない掃除ができてきたことに対し満足感に浸る。
新幹線で東京。「在野研究者ビギナーズ」読んだ。大学・研究機関に所属しないながら研究活動(これ自体に様々な定義があり、各々が立場をどのように表現するか悩んでいる様子が伺えた)に関わる人の随筆、論考。一冊を通した明瞭なテーマはないので本としてはやや雑多な印象。
まず現状ではどう考えても在野研究に可能な領域と不可能な領域があると思った。筆者もほとんどが所謂「文系」の研究者。文系、理系といった学問領域に意味がないことは言うまでもないけれど、むしろ久々に金がかかる研究、かからない研究の差を痛感した。唯一紹介されている生物学研究者は系統学に連なる方に思えたが(記載オンリーかも)、系統の分野も今や分子データがないと投稿まで辿り着くのは難しい。では金のかからない理系分野は何か問われると、生物学の中では生態学、行動学、あとは数学(の一部)辺りにはチャンスがあるか……と思った。勿論文系の研究(都合上そう呼ぶ)にも旅費や書籍代がかかってくるので、小規模なグラント支援の必要性みたいな議論があってもいい気はする。academistのようなクラウドファンディングも定着してきた感はある。自分を雇えるタイプのグラントだと尚良い……。
文献を入手する困難さについては幾人かからも指摘があり、一応大学に籍を置くという手はあるのだが、正直大学も東大、京大レベルにならないと自由に論文が読めるということはないので(取り寄せまで含めるなら話は違うが)、地方大学が分野特化するみたいなのは需要があるのでは……と思ったが、この辺りは専門外なので、知らん。
積読が崩れてきた。いいぞ。
しばし実家に居候する。親が美容マニアなのでドライヤーがイイ感じのヤツなのだが、髪がすぐ乾くからこれだけは羨ましい。効率化家電として見ている。買うか。