秋の間、某大学主催の小説講座を受けた。現地参加。前期まではオンライン講座だったのでちょっと面倒だったんだけど、現地に行ったことで世の中には小説を書くことを始めようとする人がいるという事実を確認できたのでよかった。
参加人数(課題の提出者)は14人。年代は50代が中央値かな。男女比はほぼ一対一。当たり前だけどそれはオタク層とは全然被ってない。オタク、多分一人か二人くらいしかいなかった。
オタクの老後に興味があるので面白い印象だった。テンプレートでない人生は続くんだよな。
読解
講座は主に小説を段落単位で解析しつつ、いろいろコメントを聞く形式。
小説を書く時の課題として、テーマの探し方と書き方に関わるテクニックの2つがざっくりあると思う。最近勉強している小説批評は小説全体のテーマの方にスポットが当たっていることが多いので、久々にテクニックについていろいろ考える機会があってよかった。でも一個一個のテクニックを全部引き出しとするのは難しそう。まぁ実際に書く時に使うか、自分で読解していかないと頭に残らないよなぁ。
網羅的に掲載されている大辞典でもあればいいのに。前に紹介した本の中だと小説の技巧がそんな感じかな。テクニックじゃなくてテーマに寄ってる気がするけど、網羅的という意味では感情類語辞典も近いのかなと思う。それで感情類語辞典を改めてぱらぱらめくって見てみたんだけど、じゃあこれがすぐ外部装置的な引き出しとなるのかというとそういう気もしなくて、小説の書き方を人に教えようとする難しさを感じた。
講座を受けていると読む本が供給されるのもよかったな。紹介される小説の既読率がちょうどいい感じにプライドをくすぐりましたことをここに告白させていただきます。ラッタウット・ラープチャルーンサップの「観光」、読んだことあるわ。
島田雅彦、向田邦子、保坂和志←とりあえず1ポイント入れた
川上弘美「神様」、スティーブン・キング「書くことについて」←読んだ
村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」、春樹「騎士団長殺し」←積んだ
添削
講義も良かったんだけどでも全6回の中で1.2回分使って添削の講義があって、これが本当によかった。これだけのためにも受けてよかったな。結局書いていくことでしか小説の書き方を覚えることってできなさそ。書くことへの刺激を受けるという点では週一で講義を受けたのもよかった。そのままのやる気で書けたらよかったが、まぁ秋は漫画も描いていたのでね……。
人に読んでペンを入れてもらうことは多分同人オタク同士でもできるんだろうけど、センスと技量への信用と、人間関係が壊れないだろうという信頼が必要そう。実験的にやってみたくはあるので信用と信頼があるオタクは声をかけてください。