土曜。
「専門知は、もういらないのか」読み終えた。
既知の現状確認の本だったのでとにかく渋い顔になるしかない内容が翻訳独特の文体で延々と……。そんな気はしていたがここに書ける感想は全然ない……。
ここに書いている感想はブクログの記録のうち問題なさそうな数段楽ををコピーペーストした後に伝わらないであろう表現を加筆修正するという面倒な手続きを踏んでいるのだが、本の感想を人とのコミュニケーションの手段に使おうとするならばそれなりのテーマや書き方が必要だということが確認できたので一応得るところもあった。このネタばらしをしたのでそろそろ今回のタームの日記も終わりである。
かつては友達と漫画を貸し借りするのに感想を綴った手紙(三角の行頭文字で箇条書されている)を同封する中学生だったものだが、あのような文章は今の自分に書けるんだろうか。そもそも感想を表に出してみようと思ったのも、久しぶりにその友達から漫画を貸してもらったのがきっかけだった。どれ一つ懐かしいことでもしてみようかと借りた本の感想をブクログから集めて紙に印刷して読み返した後、わざわざ私のために本を選び、重い紙の束を家まで持ってきてくれた人に対してこの文章の仕打ちはなんだと呆然としたのだった。
本を媒体として人に向けた文章を書くという点では、同人作品の作者に宛てたの感想文に近いと思う。それを純粋な本の感想といっていいかというと少し違うという話(作者との関係上それが許される場合も当然あるが)。
夜から妹君が酒を飲みにやって来た。
違った。今メールを読み返したら酒を用意したのは私であって向こうは話を聞けとしか言ってなかった。最近人から飲酒がてら人生相談をされることが多いが、私に相談しても得るものは何もないぞ。特に昨日は恋愛に関わる話だったので三秒で匙を投げた。話を聞くのは好きだが相談されても困る。
彼女が酒の後はアイスが食べたいと言うので特段食べたくもないアイスを買いに行った。たくさん食べる必要がないのでピノにしようかと思ったが、食べたら食べたで少し口寂しくなるかと思ってモナ王の中身みたいなアイスを買ったらチョコが濃厚すぎて疲れた。欲張ったら駄目だな。
起床。日曜。
何故か一日中うとうとしていた。
カレーがなくなったのでカレーを作ろうと思っていたがちょっと元気がなくなって断念した。無念。
「2010年代SF傑作選」
800字*400ページ/10作と仮定すると一作32000字か。SFの短編って一つのアイディアで書ききるからこその、キャラクターがでしゃばらない味があると思う。ミステリも近いかもしれないけど。田中啓文の作品はまさにミステリ短編らしさもあった。
前半は傑作選らしく外れないなと思って読んでいたんだけど、一部作品は何が評価されているのかわからなくて残念(悔しい)だった。SFらしい観点から評価されていて私にはよくわからないということなのかもしれない。そういう点では伴名練 の解説が各作品に対してもう少しあってくれたら個人的には嬉しかった。
ブクログといえば、先程の「専門知は、もういらないのか」のような論説のようなジャンルの本の感想もネタバレ扱いとして感想を隠しているユーザーがいてちょっと面白い。一般的には例えばミステリの最大のネタバレは犯人とトリックであり、それ以外のネタバレは比較的許されると思われがちだ。しかしそのような考えは主観であって、犯人も殺人現場も、ミステリも論説も、ネタバレという観点において平等のはずだと、このようなユーザー達は考えている、のかもしれない。